第9回 求人から見るエステティックの近未来

エステにとって夏は書き入れ時。
この猛暑が理由ではないにしてもエステティシャンの転職市場の動きは相変わらず鈍い。
しばらくこの状況は劇的には変わりそうもありません。エステティシャンが足りない今の状態が続いた場合、エステティック業界にどんな影響があるのかを考えてみました。

人手不足と言う点では今から15年位前の状況に似ている気がしています。
大きく違うのは当時は未だ人がどんどん流れていたこと。循環していた分、少ないながらも何とか人が補充できていました。それに比べて今はチョロチョロ流れているだけ。水流も水量もありません。

歴史をひも解くと今後進んでいく方向性は3つ考えられます。

1.サロンの淘汰が進む(人手不足で閉店を余儀なくされる店が増える)
2.売るものが変わる(施術メニューの機械化、物販の割合が増える)
3.売る場所、業態が変わる(クリニックのエステメニュー躍進)

程度の差はあれ、すべて過去の繰り返し。これまでにエステ業界が経験してきたことです。
しかし今回は今までと社会環境とか取り巻く状況の変化があまりに違います。

例えば、エステと名のつく商品や電化製品。
ここ数年で一気に増え、質・種類も豊富、そのうえ性能もものすごく進化しています。買う場所もお店だけでなく、価格の比較ができ手軽なネット通販が当たり前になってきています。情報化社会により容易に商品の比較、情報の質を入手できる時代になっています。

もう一つは(ガクンと!?)減ってしまった人員面です。
数的な不利をどう克服しサロン運営をするのか?15年くらい前(2000年前後)は高性能脱毛機や痩身機などの機械革新によりハンド中心の施術から機械中心の施術へ大きく舵を切りました。機械の進化は未経験者の戦力化や教育時間の大幅な短縮化をもたらしました。これは大きかったですね。今回も画期的な何かの登場はあるのでしょうか・・・。

人が減る、少なくなっていく中でサロン経営を続けて行くには(1)人に合わせた売上規模のサイズダウンを図るか(2)人を育てていくか(3)人を減らさない、このいずれかしかありません。(またはその組合せ)もしくは素人でもすぐに出来るくらいの仕組みを作るとか、徹底した機械化を進めるか・・・

具体的な解決策をパッと思い浮かべてみても目新しいものはありません。それよりはその選択肢を【やるか】or【やならないか】が結果を分けることになるはずです。

(例)
・教育によるエステティシャン数増員(自力)
・マニュアルの工夫、整備による戦力化(自力)
・定着化の工夫(自力)
・人の力を最小限にする施術の登場を待つ(他力)

今の人手不足は深刻です。先に述べたように過去と同じ方向をたどる可能性は高いです。しかし、その解決は螺旋階段のごとく同じに見えても、必ず進歩を伴っています。サロンの体力やメニュー、規模、技術革新などにも関係しますが一番大事なのは『どうして行きたいのか』と言う経営者の意思であり、実際の行動であることは間違いありません。