第6回 スタッフの入れ替わりに慣れていないか

この仕事をして十数年。長くやっていると色々なことに慣ていきます。現場で良く耳にする「ある現象」に慣れたことで危うく大切なことを見失いそうになった出来事が最近ありました。

普段、慣れるというコトバは良い意味で使うことが多い単語です。対象を見なくても身体が勝手に動けるくらい回数を重ねている状態のことです。一方で慣れることによって、ある盲点が生まれる可能性がある。そんなことをあるスタッフから教えてもらいました。

派遣歴がもうすぐ一年を迎えるスタッフA(経験3年)と面談をした時のことです。話の流れの中「私はこの一年で8人とか9人とかの人数のスタッフを(退職で)見送りました。人の入れ替わりってこんなに多いものなのでしょうか?」と聞かれました。Aは何かを訴えるような、半分泣きそうな、そんな表情でした。

「たくさんの数はそんなにないかもしれません。でも、そこまで珍しくはないです」と(なぜかはわかりませんが)丁寧かつ慎重な口調で答えた直後、内心で少しドキッとしたんです。「あれっ!?」って。

エステティシャンの派遣要請。それは人員の補充が目的です。多くの場合、人が辞めてしまった事が派遣の大前提です。依頼の数だけ退職がある、職業柄、私たちには耳慣れた出来ごとです。またその周辺にいる人間という意味でエステティシャンにとっても退職とは身近に体験するよくある出来事のように感じてもいました。だから、やめ方とかタイミング、その特徴など、きっと理解している。その思い込みはあるかもしれません。でもスタッフAの反応を見て思ったんです。もしかしたら視野が狭くなっている? ≪エステティシャンの意識に対してちょっと鈍感になってきているかも≫

私たちは派遣以外にも辞めるという行動を分析してエステティシャンが転職したくなる時期などの予測サービスも行っていますが、いつでも重視しているのはエステティシャンの意識です。考え方と言ってもいいですし、特性と言ってもいいかもしれません。その意識に対して≪当たり前≫感が過ぎてしまうとその本質というか大事な事を見失うことにもなりかねません。例えば、仮に先ほどの質問に「当たり前でしょ」って感覚で答えていたとしたら、、、

本来、求人とか採用は、その回数が少ない方がいいわけです。縁あった従業員ができれば長く定着し続けてくれるのがいいですよね。特にエステティシャンが少なくなっている(と思われる)今は定着させられるかどうかがサロン経営を安定化させる鍵となりえます。

エステティシャンとして一年間就業できた人がいる。一方、同じサロンで10人近くが辞めている。この事実は求人とか採用に対するヒントを示唆しているような気がしてなりません。